粉末プロテインが腎臓に与えるリスク

健康

ジムに行くと、シェイカーで粉末プロテインをシャカシャカしている男性をよく見かけます。

低カロリー、低脂質で効率的にタンパク質が摂取できる粉末プロテインは、まさに健康食品ですが、正しく使わないと、腎臓を害してしまうリスクもあります。

今回は、粉末プロテイン(特に高タンパクな摂取)が腎臓に与えるリスクについて、簡単にまとめてみたいと思います。


健康な人にとっては問題ない

  • 腎臓が健康な人であれば、適量のプロテイン摂取は腎機能に悪影響を及ぼさないことが、多くの研究で示されています。
  • ただし、過剰に摂取すると、腎臓に負担をかける可能性があります。

腎臓にリスクがあるケース

以下のような人は、高タンパクな食事やプロテイン摂取に注意が必要です。

① もともと腎臓が弱い人(慢性腎臓病など)

  • 腎臓は体内の老廃物をろ過し、余分なタンパク質の代謝産物(尿素など)を排出します。
  • 腎機能が低下している人が高タンパク食を続けると、腎臓への負担が増し、症状が悪化する可能性があります。
  • 特に、糖尿病や高血圧による腎臓のダメージがある人は注意が必要です。

② すでに軽度の腎機能低下がある人

  • 健康診断などで「腎機能が少し低下している」と指摘された人も、タンパク質の過剰摂取は避けた方がよいでしょう。

高タンパク食が腎臓に与える影響

① 尿素やクレアチニンの増加

  • タンパク質が分解されると、「尿素窒素(BUN)」や「クレアチニン」といった老廃物が発生します。
  • 腎臓が正常に働いていれば問題ありませんが、腎機能が低下していると処理が追いつかなくなります

② 尿中カルシウムの増加 → 腎結石のリスク

  • 高タンパク食は、尿のカルシウム濃度を高め、腎結石のリスクを上昇させることがあります。
  • 特に、水分をあまり摂らない人は腎結石のリスクが高まりやすいです。

③ 腎臓の糸球体ろ過量(GFR)の一時的な増加

  • 高タンパク食を続けると、腎臓の「糸球体ろ過量(GFR)」が一時的に上昇し、腎臓に負担がかかることがあります。
  • 健康な人では適応できますが、腎臓病のリスクがある人は、この負担が腎機能低下を早める可能性があります。

適切なプロテイン摂取量の目安

  • 一般的な成人:1日 体重1kgあたり0.8g~1.2g
  • 筋トレをしている人:1日 体重1kgあたり1.5g~2.0g
  • 腎臓に疾患がある人医師と相談しながら摂取を調整(通常は0.6g~0.8g/kgが推奨される)

腎臓への負担を減らすためのポイント

1. 水をしっかり飲みましょう

  • タンパク質の代謝には水分が必要なので、1日 2L以上の水を飲みましょう。

2. バランスの良い食事を心がけましょう

  • プロテインだけでなく、野菜や食物繊維をしっかり摂ることで、腎臓への負担を軽減できる。

3. プロテイン摂取量を適量にしましょう

  • 食事からのタンパク質と合わせて、1日の総タンパク摂取量が過剰にならないように調整しましょう。

4. 健康診断で腎機能をチェック

  • 定期的に血液検査で「クレアチニン」「尿素窒素(BUN)」「eGFR」などを確認し、異常がないかチェックしましょう

結論

健康な人が適量のプロテインを摂取する限り、腎臓への悪影響はほぼないと考えられます。
しかし、腎臓に疾患がある人や腎機能が低下している人は、過剰摂取に注意が必要です。

適切な量を守り、水分をしっかり摂ることで、腎臓への負担を減らしながらプロテインを活用していきましょう。

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